大阪雨情

1.
公孫(いちょう)樹並木に 走り雨
すがた見せない 十六夜(いざよい)待つわ
曾根崎・新地の 止まり木で
そんな風情も 味わいも
捨てて ひとり…褥(しとね)の
ああ 大阪 雨もよう




2.
ビルの谷間を 風戯(かぜそば)え
梢(こずえ)すずめも 肩ふるわせる
水掛不動(みずかけふどう)に 置いた恋
あすの涙に 幸せを
求め ひとり…生きていく
ああ 大阪 雨もよう

3.
夜のとばりに 小糠雨(こぬかあめ)
街の明かりに 水沫(みなわ)と消える
道頓堀(とんぼり)酒場の ともしびに
胸をこがした 夢ごころ
未練 ひとり…旅立ち
ああ 大阪 雨もよう